横浜湘南ツーリングクラブ

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自転車の保険 画像
■自転車の事故と損害について
自転車事故。嫌ですよね。誰しも経験したくないものです。
しかし、起こるときには起こるものであり、どうすることもできません。
自転車事故が起きた際には、2つのことが考えられます。
ひとつは自分の損害。そしてもうひとつは、他人(公共物含む)への損害。
では、自分の損害にはどんなものが考えられるでしょうか。
自分自身の身体生命に関する損害、つまりケガや後遺障害、死亡など。
それに、自分の所有物の損害、つまり自転車が損壊しただとか、携行していた携帯電話やカメラ等が破損したといったことなどです。
次に、他人への損害です。
自分の損害同様、事故相手の身体生命に関する損害と、事故相手の所有物の損害(車にキズをつけた、相手の自転車が損壊した、歩行者の鞄や服にキズをつけた など)が考えられます。
加えて、公共物の損壊も考えられます。
自分の損害は、最悪我慢すれば誰に責められるものでもありませんが、他人への損害は、損害賠償等社会的責任を負いますので、特に強く意識したいものです。
■事故が起きたらどうなるか?
当然ですが、身体生命の損害も所有物の損害も、それを回復するには、一定の金銭が必要になってきます。
その金額が1〜2万円程度であれば、痛い出費とはいえ、生活に支障を来すまでにはならないと思います。
しかし現実には、それで済まないこともあります。
そのひとつが、他人の身体生命に損害を与えてしまった場合。
判例を確認すると、自転車側に1億円近い賠償命令が出ているものもあります。(2014年11月時点)
賠償額 事故の概要
9,521万円 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。( 神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)
9,266万円 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決)
6,779万円 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)
5,438万円 男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決)
ここまで高額にならなくとも、例えば渋滞で停まっている車の脇を抜けているときに、車のボディーにキズを付けてしまっただとか、事故相手のロードバイクを大破させてしまったといった場合にも、それなりの賠償金額が必要になってきます。
また、社会的責任が発生するものではありませんが、自分が大ケガを負ってしまった場合にも、治療費その他で、やはり一定の金額が必要になることも、十分考えられます。
■事故での金銭的負担に備えて
前述のように、大きな金銭的負担が発生する場合に備えるものとして、保険が考えられます。
自転車の事故で保険と言えば、
自転車保険が思い付くでしょう。
自転車保険は様々な会社から提供されていますが、au損害保険楽天損保総合保険センター東京海上日動セブン&アイ三井住友海上から提供されている保険が、補償内容(1億円補償)に対して、比較的保険料が安いです。(2016年11月時点)
肝心の保険料ですが、上記で一番安い楽天損保で3,000円(年)※複数年契約割引あり、総合保険センターで3,600円(年)※継続契約割引あり といったところです。
また、充実した補償面では、au損害保険(au利用者以外も加入可能)が、24時間365日受け付けで、50kmまで自転車を輸送してくれるロードサービスを付帯しています。
公共交通機関のないエリアでのトラブル時に、強い味方です。
しかし、実はこの自転車保険は、個人賠償責任保険と交通事故傷害保険の抱き合わせ商品であり、人によっては同じ補償を持っている保険に既に加入していることもあり、補償の重複状態となることがあります。
つまり、保険料を無駄に払っている状態です。
■自動車保険に自転車事故の補償を付帯させた方が、割安な場合もある
自転車保険は、「個人賠償責任保険」と「交通事故傷害保険」の抱き合わせで成り立っている商品です。
前者は、他人を死傷させてしまったり、他人の物を壊してしまった場合に備える保険。
後者は交通事故等で自分自身が死傷してしまった場合に備える保険です。
そしてこの個人賠償責任保険と交通事故傷害保険ですが、実は自動車保険の基本的な補償+特約で対応できます
まずは交通事故傷害保険から。
これは、
自動車保険に普通に付帯させる「人身傷害保険」と全く同じで、保険契約車両搭乗中のみ限定補償にしない限り、歩行中や自転車乗車中の事故で死傷した場合も補償対象になります。
因みに
人身傷害保険は、保険金を請求しても(保険を使っても)、等級には影響しません
次に個人賠償責任保険です。
これは、自動車保険に普通に加入しているだけでは付帯されませんが、
ほとんどの保険会社が「個人賠償責任保険特約」として扱っており、年間数百円程度の保険料で付帯できる会社もあり、更に保険会社によっては、示談交渉まで行ってくれます。
肝心の保険料を軽く調べてみましたが、セゾン自動車火災で500円〜(年)、損保ジャパン日本興亜で1,200円〜(年)、三井住友海上で1,500円〜(年)、チューリッヒで2,220円〜(年)といったところです。(2014年4月現在)
また、近年の自転車人口増加に伴い、「自転車専用の特約」を扱っている保険会社(例:SBI損保3,600円(年))も増えてきました。
自動車をお持ちであるならば、自転車保険に単独で加入するよりも、自動車保険の人身傷害保険一般型と個人賠償責任保険特約で自転車事故も補償した方が、割安である場合もあります
現在ご加入中の自動車保険の保険会社にお問い合わせ頂き、これら特約を付帯すると保険料が一体幾らになるのか試算してもらうのも、ひとつの方法です。
その他、火災保険クレジットカードにも、取り扱い会社によっては、自転車保険や個人賠償責任保険を付帯できたりします。
著:横浜湘南ツーリングクラブ(YSTC) 百瀬
横浜湘南ツーリングクラブ
(YSTC)
横浜湘南ツーリングクラブ(YSTC)は、横浜市戸塚区の戸塚駅、鎌倉市の大船駅、藤沢市の藤沢駅などを起点に、自転車ツーリングを行うロードバイクサークルで、メンバーは神奈川県内各地、及び東京都内各地、埼玉県に在住しています。
横浜、湘南は勿論、神奈川県内各地、及び、静岡、山梨、東京、埼玉、千葉など、近隣都県の幅広いエリアで活動しており、企画で地方にも赴きます。